AI生成BGM / 商用利用可 / クレジット表記不要 / 全曲無料DL可 / OBS・配信向けツール
ARCHITECT & DEV 2026.06.14

Neuro Music Archive (NMA) の楽曲生成・配信を支える自動化ワークフロー

N NMA Dev Team
読了時間: 約3分

Neura Music Archive(NMA)で公開している楽曲は、プロンプトの作成からメタデータ管理、サイトへのデプロイに至るまで、自作の専用デスクトップアプリ「Portal Manager」を用いてプロセスを自動化しています。

AIを用いた音楽生成においては、生成そのものよりも「大量の出力結果の整理・メタデータ付与・公開作業」に多くの運用コストがかかります。本記事では、手作業を極限まで削減するために構築した、独自のフルオートメーション・ワークフローを解説します。

Pipeline Architecture

01. Prompt
一括生成

Gemma 4 (Local)

02. Ingest
メタデータ連携

Rust Backend / JSON

03. Refine
全体最適化

コンテキスト維持

04. Deploy
ワンクリック公開

Cloudflare R2 / Git


01. ローカルLLMによるプロンプトの一括生成

楽曲制作の始点は、アプリ内の「Prompt Builder」によるプロンプト設計です。ジャンル、BPM、ムード、バンド編成に加え、ボーカルの声質(息の量、硬さ、ビブラートなど)をパラメータとして指定します。

生成を実行すると、バックグラウンドで稼働するローカルLLM(Gemma 4)が起動し、音楽生成モデル(Lyria 3)向けに最適化された英語プロンプトを指定曲数分、自動生成します。コンセプトアルバムを作成する場合、「Overture」から「Epilogue」までの起承転結を意識した13曲分のコンテキストを維持したまま、一括でプロンプト群を出力する仕組みとしています。

生成パラメータ設定画面
図1. Prompt Builderの生成パラメータ設定インターフェース

02. 楽曲のインジェストとメタデータの自動バインディング

音楽生成モデルから出力された楽曲ファイルをローカルフォルダに保存し、「Theme Workspace」画面で読み込みます。

ここではRust製のバックエンドがディレクトリを高速スキャンし、生成済みのプロンプト履歴とオーディオファイルを照合します。これにより、プロンプト生成時に指定したタグ情報や歌詞データが、各楽曲のメタデータ(JSONおよびID3タグ)として自動的に紐付けられます。手動でのタグ打ちやテキストのコピペは不要です。

Portal Manager 管理画面
図2. Portal Manager の Album 編集およびメタデータ統合ビューアー
⚡ Technical Note: Rust-based Ingestion

ファイルI/Oの高速化と安全性を考慮し、インジェストエンジンの基盤にはRust(Tauriのバックエンド側コマンド)を採用。数GB単位のオーディオ一括スキャンもミリ秒単位で完了します。

03. LLMを用いたタイトル・キャプション生成と全体最適化 (Refine)

楽曲のタイトルと解説文(キャプション)の付与も、ローカルLLMのパイプラインに組み込んでいます。

単曲ごとにパラメータや歌詞の文脈からテキストを生成するだけでなく、特筆すべきはアルバム全体の自己修正(Refine)プロセスです。AIがアルバム全曲の生成結果を俯瞰し、「語彙の重複がないか」「アルバムとしての統一感があるか」を自ら評価・再構築することで、バッチ処理特有の質の低下を防いでいます。

また、これらの情報をもとに、カバーアート用の画像生成プロンプトも自動抽出され、画像クロップから設定までアプリ内で完結します。

04. Cloudflare R2への直接デプロイとサイト更新

データの準備が完了した後の公開プロセスも、GUI上のワンクリックで完結します。

アプリ内からデプロイを実行すると、オーディオファイルと画像ファイルが Cloudflare R2 ストレージへ直接アップロードされます。同時に、公開用のCDN URLが自動生成されてローカルのJSONデータに上書きされます。

最後にヘッダーの「Git Push (Deploy)」を実行すれば、最新の manifest.json とテーマファイル群がリポジトリに反映され、NMAの静的サイト上に新しいアルバムが即座に公開されます。


このように、NMAでは単なるAIによる楽曲生成に留まらず、その周辺に発生する煩雑な運用タスク全体を、ローカルAIとTauriアプリের連携によって効率化しています。運用フローの自動化に興味がある方の参考になれば幸いです。